ブックスキャナー


はじめに

時々本の一部を電子化したいことがあるので,コンパクトに収納できるスマホのカメラを使ったブックスキャナーを作りました. サイズはB5まで対応します. 最初に手で持って使うタイプを作りましたが,使いにくかったために据置型に改造しました.

ブックスキャナーで重要な機能は以下の点だと思います:

  1. 透明な板で紙面を押さえつけてスキャンする面を平坦にできること.
  2. 十分な露出が得られるムラや映り込みのない光源があること.
  3. 堅牢な構造で安定してスキャンができること.

この中で,2の光源が案外面倒でした. また3についても,収納時に邪魔にならないように分解可能で,使いたい時に簡単に組み立てられることを考慮すると工夫が必要になります.

スマホのカメラで撮影しますが,標準のカメラアプリでは撮影の度に設定が変わるので,ピント・露出・感度・ホワイトバランスを固定して撮影できるアプリを自作して使いました. Bluetoothのリモコンでシャッターを切り,FTPサーバーを使って撮影した画像を確認したり転送します.

手持ち型(Version 1)

手持ち型ブックスキャナー1
手持ち型ブックスキャナー2

最初に作成したのは,DHagenさんのスキャナーを参考にした簡単な手持ち式のブックスキャナーです. 厚さ6mmのMDFと透明アクリル板を使用して,レーザーカッターで加工しました. 2つのネジだけで組み立てることができ,使わない時は分解して邪魔になりません. しかしながら,(1)均一な照明を得るのが難しくて光源の映り込みも起こりやすく,(2)ページ毎に手で押さえるのが面倒くさい,などの問題があり実用性がいまいちでした.

据え置き型(Version 2)

据置型ブックスキャナー1
据置型ブックスキャナー2

手持ち型ブックスキャナーを改造して,据置型のブックスキャナーにしました. 照明は,40W型相当のLED電球を30°程度の角度で50cmほど離して設置します. 床に反射して映り込むので部屋の照明は消して使用します. スマホの固定は,3Dプリンターで作成したホルダーとベルクロテープで行います. スマホを置く透明のアクリル板で光が反射するためつや消しの黒で塗装しました. 800万画素のカメラでB5サイズをスキャンするため解像度は330dpi程度になります.

問題点が解消してきれいにスキャンできるようになりましたが,使っているうちに以下の点が気になったので機会があれば改良したいと思います.

図面


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2018-11 Version 1製作
2022-08 Version 2製作
2022-08-27 ページ作成
T. Nakagawa