照度計


はじめに

部屋の模様替えをしたところ本棚等の配置がまずかったのか,以前よりも部屋が暗くなってしまった感じがしました.
そこで,明るさを測定できる照度計が欲しくなり作ってみました.

製作

回路図 回路図  配線図 配線図
回路図と配線図は上図のとおりです.
回路は非常にシンプルな構成で,ADコンバータを内蔵したAVRのATtiny26Lに照度測定用のフォトトランジスタNJL7502LとHD44780互換のLCDをつないでいます.RS-232Cで測定結果を出力できるようにしました.抵抗は金属皮膜を使います.

Web上でいくつか照度計の作例がありましたが(こちらこちら),センサーの出力をオペアンプで増幅する際に,ゲインを変えて精度を高める工夫が行われています.今回使用したNJL7502Lは,データシートによれば1~50,000luxの照度に対して出力電流が約0.3~10,000まで変化するということで,センサーの出力する値の範囲が非常に広いので,ADコンバータのダイナミックレンジを有効に利用して精度を高めるために,フォトトランジスタの負荷抵抗を切り替えるようにしました.100,1k,10k,100kΩの抵抗を使いAVRのピンをHi-ZからL出力にすることでレンジを選択します.小さいレンジから測定していってADコンバータの測定結果がオーバーフローしたら一つ大きなレンジに切り替えるようにしています.
また,ADコンバータによる測定は64回行ってその平均値を出力しています.64回としたのは,ADコンバータが10ビットの精度なので,測定結果の和が2バイト(16ビット)の変数に収まるようにしたかったためです.

今回使用したLCDは16桁x2行のもので,照度を数値で表示するだけだと1行余るので,照度をバーグラフでも表示するようにしました.
バーグラフは対数スケールで表示させます.プログラム中の定数は,awkを使うと下記のように計算できます:

$ awk 'BEGIN{for(i=1;i<=48;i++)printf"%d, ",int(exp(i/(48/log(65535)))+0.5);}'


完成してケースに収めた写真は下のようになりました.
完成写真1 完成写真1  完成写真2 完成写真2

本来はちゃんと校正する必要がありますが,校正に使える測定器などは持っていなかったので,データシートに記載されている標準的な特性を元に照度を計算するようにしました.そのため,誤差はかなりあるかと思います.
入手が容易な白熱電球を使って調整する方法もあるようです.

完成後使用してみましたが,思ったよりもやや使いにくいと感じました.というのは,少しセンサの角度を変えると表示される照度が大きく変わるからです.データシートを見ると,半値角が±20度とかなり指向性が高いことに後で気がつきました.バーグラフによる表示のおかげで照度が最大となる方向を見つけることはできますが,部屋の中のある場所の明るさを調べるというような用途には不便かもしれません.

ファームウェア


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2009-01-30 ページ作成
(2009-01 製作)
T. Nakagawa