オリンパスのデジカメを使用していますが,たまに三脚で使用する場合など直接シャッターボタンを触れずに撮影したい場合があります.オリンパスからRM-1というリモコンが販売されていて,これを買ってきて使えばよいのですが,赤外線を使った普通のリモコンのようなので自作してみました.
回路図(PDF)
回路はとてもシンプルで,AVRに赤外線LED(TLN110)とプッシュスイッチ5つが付けているだけです.
AVRは内蔵オシレータを持つATtiny2313を使いました.
単三電池2本用の電池ケースに基板を組み込んで電池1本で駆動したかったので,1.5Vから5Vを生成するDC-DCコンバータ(HT7750)を使います.作った後で考えると,素直に電池2本の3Vで動かすようにして余裕のあるケースに組み込んだ方が製作が楽だったと思います.
赤外線LEDに流す電流を確保するため,AVRのポートDを並列に接続しています.ポートBよりも1本ポートが少ないポートDでLEDを駆動したのは,もしLEDを並列に駆動するためにポートBのピン同士を短絡してしまうとAVRのISP書き込みができなくなってしまうからです.また,ポートBにスイッチをつけることで,スイッチ入力を割り込み(PCINT0~4)で検出することができました.
ケースは,スイッチ付きの単三電池2本用の電池ボックスを使用しました.実際に使う電池は1本だけで,残りの電池1本分のスペースに基板を配置します.
スペースが狭いため,基板の表側にプッシュスイッチを取り付け,裏側にAVRとDC-DCの部品を配置して空中配線をしています.
普段AVRにプログラムを書き込む場合,AVRの上から自作のクリップを付けてISP書き込みを行っていますが,今回は空中配線していてそれが使えなかったため,ICクリップでAVRの足とISP書き込み用のソケットをつなげてプログラムを書き込みました.
赤外線リモコンを作成するのは始めてでしたが,信号の送り方などこちらのページが大変参考になりました.
リモコンを作成する上で一番重要なのはリモコンから送出されるコードの情報ですが,LIRC(Linux Infrared Remote Control)のページに情報がありましたので,参考にさせていただきました.
キャリア周波数は38kHzとしています.
完成したリモコンはオリンパスのE-510で動作することを確認しました.リピート動作(ボタンを押し続けた時の動作)はうまくいかないようですが,シャッターを切るために使う分には問題ないと思います.
(下の図では,完成時とそれ以外での電解コンデンサが異なっていますが,大きすぎてケースが閉まらなかったので後から電解コンデンサを変えました.)
基板表
基板裏1
基板裏2
基板裏3
ISP書き込み
完成(中身)
完成(外見)