超小型トラックパッド


はじめに

以前超小型トラックボールを自作しましたが操作性がいまいちでした. 今回は非常に小さいトラックパッドを入手したので,USB接続でマウス代わりに使うトラックパッドを自作してみました.

設計と製作

使用するのはBlackBerry 8520用のトラックパッドで,タッチする部分のサイズは8x8mm程度です. 自分はBlackBerryは使ったことがありませんが,このようなトラックパッドは最近では航空機用エンターテイメントシステムのコントローラーでも見かけます. このデバイスの使い方に関する情報はこちらにありました. マイコンにはPro Microを使用してトラックパッドとはSPIで通信します.

マイコンとトラックパッドの配線はシンプルなので,回路図は書かずに下記の配線表を用意して代わりとしました. VCC+220kΩとGND+220kΩというのは,それぞれ220kΩでのプルアップとプルダウンです. このトラックパッドの定格電圧は2.85Vなので,Pro Microに搭載のレギュレータICを5Vから2.85Vへ交換しました. そのためPro Microを2.85Vで16MHz駆動するというイレギュラーな使い方をしています. このタッチパッドにはスイッチが内蔵されているのでこれが使えればよいのですが,信号が取り出せなかったので別途SMDのタクトスイッチを取り付けました.

トラックパッド Pro Micro
1:GND GND
2:Sig3 -
3:NC -
4:Sig2 -
5:Reset 2
6:Sig1 -
7:Shtdwn 3
8:Sig0 -
9:CS 4
10:VCC+220kΩ VCC
11:CLK 15(SCLK)
12:VCC 6
13:SDI 16(MOSI)
14:GND+220kΩ GND
15:SDO 14(MISO)
16:KeyOut 7
17:Motion A0
18:KeyIn 8
19:VCC VCC
20:GND GND
Switch A2

トラックパッドのコネクタが入手できなかったので細いUEW線を直接ハンダ付けしましたが,かなり苦労しました. ケースは3Dプリンターで作成しました. ファームウェアはArduinoで開発して,マウスのHIDデバイスとして認識されます.

完成させて使ってみましたが,感度が低くて思い通りに動かすことが難しく,残念ながら前回の超小型トラックボール以上に実用性が低い結果となりました.

配線後の基板
ケースに入れた状態

ファームウェア


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2020-12 製作
2021-04-04 ページ作成
T. Nakagawa