マイクロドローン(120mmクアッドコプター)


はじめに

ミニドローン(200mmクアッドコプター)」を設計していたときに,推力に余裕のある機体だけではなくもっと小型化を狙った機体も作りたいと思い,ほぼ同時に並行して開発したのがこちらのマイクロドローンです.

設計・製作

ブラシレスモーターを使いますが電源は1Sとしました.1S用のブラシレスモーターはほとんど選択肢がありません. また1Sに対応したESCというのは特殊で種類が少なく,あったとしても高価でした. 2S以上用のESCのFETをDC-DCコンバータで昇圧して駆動することも考えましたが,幸いRacerstarの6A 1-2S (V2以前の古いバージョン)というものが販売されたのでそれを使って設計しましたが,その後さらに小型のA1S 3A BLHeli 1Sというものが同社から販売されたのでこちらに切り替えました. 使用した部品等は下記の表のとおりです:

部品
型番
個数
ブラシレスモーター Racerstar BR1103 8000KV 4
ESC Racerstar 6A 1-2S → Racerstar A1S 3A BLHeli 1S 4
プロペラ Eachine Racer 130 Mini 3 Inch Propeller 3020 4
Li-Poバッテリー U816-10 3.7V 240mAh 25C 1

また部品等の重量は次の表のとおりです:

部品 個数 合計重量 (g)
6A 1-2S ESC (シュリンクやケーブルを含む) 4 12.24
A1S 3A BLHeli ESC (シュリンクやケーブルを含まない) 4 1.92
3020プロペラ 4 2.29
フレーム(接着剤で固定後,プロペラガードを含まない) 1 5.12
自作統合フライトコントローラー(ケーブルを含まない) 1 2.18
完成機体総重量 1 38.06

フレームは,アーム部分は1.2mm厚のエクール基板をCNCフライスで加工して,ボディ部分は0.8mm厚のユニバーサル基板を切って,それぞれエポキシ接着剤で接着しています. プロペラガードは,アーム部分を0.4mmのFR4で延長してφ1mmのFRPロッドを輪にしたものを固定しています. アーム部分の下には発泡スチロールを取り付けて高さを調節しています.

受信機や分電盤の機能を統合した自作のフライトコントローラに関しては「ドローン用フライトコントローラー(ハードウェア編)」(専用基板小型版)をご参照下さい. はじめはESCからのケーブルはヘッダピンを使って接続するつもりでしたが,少しかさばって重量も増えるので直接ケーブルをフライトコントローラーにハンダ付けしました.

フレーム図面

完成した機体

完成した機体は下の写真のようになりました.推力が小さいので本当に飛ぶ機体ができるか不安だったのですが,上の表のように全てを含めて40g以下の機体に仕上げることができました. 早速飛ばしてみたところ,ミニドローンよりも推力が小さいためか飛ばしやすく,また恐怖を感じるほどのパワーもなく室内飛行に向いています. しかし,0.4mm厚の基板で作ったプロペラガードの部品が強度不足だったらしく,何回かクラッシュした後で折れてしまいました.

フレーム
機体の全体写真
機体の上面
機体の側面

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2017-06-11 ページ作成
(2017-04 製作)
T. Nakagawa