LT3080による可変電圧電源


はじめに

これまでちょっとした実験をする時にはLM317を使った可変電圧電源を使ってきましたが,いくつか不便な点があったので,LT3080というレギュレータICを使った可変電圧電源を作りました.
特徴は次のとおりです:

設計・製作

本体回路図 本体回路図  本体配線図 本体配線図

電圧計回路図 電圧計回路図  電圧計配線図 電圧計配線図

可変電圧電源本体と電圧計の回路図・配線図は上図のとおりです.
最大入力電圧は,電圧計に使用しているレギュレータIC(TA48M04F)の定格により29Vまでとなっています.また,電圧計を正常に動作させるため,最低入力電圧は5Vとなっています.
電圧計はADCを内蔵したATmega48を使用しています.
本体回路図中の10kΩの可変抵抗は,多回転型のボリューム(ヘリカルポテンショメータ)を使用しました.
LT3080は正常に動作させるためには1mAの最小負荷電流が必要なので,定電流ダイオードD1を負荷に接続しています.

ケースはタカチのSW-125を使用しました.ケースの加工は,QCADで図面を引いてdxf2gcodeでGコードに変換したものをCNCフライス盤に入力して行いました.
完成した写真は次のとおりです:

完成写真(内部) 完成写真(内部)   完成写真(前面) 完成写真(前面)   完成写真(背面) 完成写真(背面)  

これまで使っていた電源装置に比べて,低電圧の出力や電圧の微調整,電圧の確認などができるようになり便利になりました.
問題点としては,プラスチックケースに収めて小さな放熱器しか取り付けていないので,入出力の電圧差が大きかったり大電流を取り出したい場合には向いていないということがあります. LT3080の出力電流は最大でも1.1Aなので,出力電流が必要な場合はLM338などを使うかスイッチングタイプのレギュレータを使う方がよいと思います.

ファームウェア(電圧計)

ケース加工データ


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2011-01-30 ページ作成
(2010-02 製作)
T. Nakagawa